わかめは食卓に欠かせない食材の一つであり、その健康効果も広く認識されています。
しかし、プリン体含有量についての情報は意外と少なく、人によってはプリン体含有量が多いという情報をみて驚いた方もいるかもしれません。
この記事では、わかめに含まれるプリン体の量、さまざまなわかめ料理におけるプリン体含有量、そしてそれが尿酸値や痛風にどのように影響するかを詳しく解説します。
わかめは非常に良い食材ですので、ぜひこの記事を読んで安心して召し上がってください。
- わかめに含まれるプリン体の具体的な量
- 生わかめと乾燥わかめのプリン体含有量の違い
- わかめを使用した料理のプリン体量
- わかめの摂取と尿酸値や痛風の関係
わかめのプリン体の含有量について
まずはわかめに含まれるプリン体の量や、わかめを使った料理に含まれるプリン体についてみていきましょう。
- わかめに含まれるプリン体
- わかめ料理とプリン体
わかめに含まれるプリン体
わかめに含まれるプリン体は100gあたり250mgです。
1日の摂取目安とされているプリン体の量が400mgですのでとても多く感じるかもしれませんが、実際に口にするわかめで考えるとあまり多くありません。
生わかめと乾燥わかめそれぞれでプリン体の量を見ていきましょう。
生わかめ
生わかめに含まれるプリン体は1g当たり2.5mgですので、1食で使用する量を2g~10gと仮定するとだいたい5mg~25mgとなり、少ない方といえます。
全ての食品に言えることですが、食べ過ぎにだけ気を付ければプリン体を気にして摂取を控える必要ありません。
乾燥わかめ
乾燥わかめは注意が必要で、1gあたり42.5mgのプリン体を含みます。
これは乾燥わかめを水で戻すと1gあたり17g程度になるためです。普段から乾燥わかめを使っている方は感覚で分かるかもしれませんが、思った以上に量が増えますので乾燥わかめを使うときは気を付けましょう。
わかめ料理とプリン体
それでは、具体的にわかめを使った料理とそこに含まれるプリン体についてみていきましょう。
わかめと豆腐の味噌汁
わかめが含まれる料理としてまず思い浮かぶお味噌汁。
豆腐とわかめのシンプルなお味噌汁だと、わかめたっぷりでも2人前でおおよそ182.9mg。1人当たりだと約91.5mgとなります。
主な食材 | 量(2人前) | プリン体の量 |
絹豆腐 (小) | 150g | 32.9 mg |
長ねぎ | 1/4本 | 10.4 mg |
わかめ | 50g | 125 mg |
みそ | 大さじ2 | 14.6 mg |
わかめともやしのナムル
わかめともやしを使ったナムルは、2人前で約144.7mg、1人前だと72.4mgが目安になります。
主な食材 | 量(2人前) | プリン体の量 |
わかめ | 40g | 100mg |
もやし | 100g | 44.7mg |
わかめの中華スープ
中華スープの場合、卵にはプリン体がないため、わかめスープと同じようにわかめ分のプリン体量を考えればOKです。
2人前だと375mgが目安になるため、1人前だとおおよそ187.5mgとなります。
主な食材 | 量(2人前) | プリン体の量 |
わかめ | 150g | 375mg |
溶き卵 | 1個分 | 0mg |
わかめとプリン体の関係と摂取目安
ここまでは、わかめに含まれるプリン体をさまざまな視点でみてきましたが、ここからは尿酸値や痛風などを意識しながら、わかめとどう向き合っていけば良いかをご紹介していきます。
- わかめのプリン体は気にしなくてOK
- 意識的に食べた方が良い理由
- 尿酸値や痛風とわかめ
わかめのプリン体は気にしなくてOK
わかめは100g当たりのプリン体が多く、痛風や尿酸値を気にする方にとっては「食べていいのだろうか?」と不安になる食材ですが、むしろ食べた方が良い食材といえます。
実はプリン体は摂取するより体内で生成される方が圧倒的に多く、そのプリン体の排出に一役買っているのがわかめです。
プリン体とわかめの関係については次の章でみてみましょう。
意識的に食べた方が良い理由
わかめには尿をアルカリ化する働きがあり、他の食品と比べても高いとされています。これがプリン体の排出に大きく役立つと考えられています。
実は私たちの体の中にあるプリン体のおおよそ8割は体内で生成されたものであり、残りの2割が食品から摂取したものといわれています。そのため、摂取量を意識することも大切ですが、プリン体は排出量を意識することがとても重要とされています。
余分なプリン体の約7割を体外に排出する役割を担っているのが尿であり、痛風や尿酸値を気にする方には十分な水分補給が勧められるのはこのためです。
そして、一言で尿といっても酸性度の高い尿とアルカリ度の高い尿に分けることができ、わかめはアルカリ度を高める機能が高い食品といわれています。
わかめとプリン体の総括
- わかめには100gあたり250mgのプリン体が含まれる
- 一日のプリン体摂取目安量は400mg
- 生わかめのプリン体含有量は1g当たり2.5mg
- 乾燥わかめはプリン体が多く、1gあたり42.5mg含む
- 乾燥わかめは水で戻すと量が大幅に増えるため注意が必要
- わかめと豆腐の味噌汁には一人当たり約91.5mgのプリン体が含まれる
- わかめともやしのナムルは一人前で約72.4mgのプリン体が含まれる
- 中華スープにはわかめ150gで375mgのプリン体が含まれる
- わかめは尿をアルカリ化する働きがありプリン体の排出に役立つ
- 食品から摂取されるプリン体は全体の約2割に過ぎない
- わかめはプリン体の排出を促進するため、食べることが推奨される
参照サイト
わかめと豆腐の味噌汁|クラシル
わかめともやしのナムル|クラシル
わかめの中華スープ|クラシル
食品中プリン体含量|公益財団法人痛風・尿酸財団
食品中のプリン体含量|高尿酸血症・痛風の総合情報サイト
管理栄養士が教える!高尿酸血症の食事で気を付けること|メディカルケア内科
9月 尿酸値が気になったら|全国健康保険協会
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン|一般社団法人日本痛風・尿酸核酸学会